[ヴィンテージ]Gibson / 1970年製 Les Paul Deluxe Conversion Gold Top

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ミニハムからラージハムバッキング・ピックアップへとコンバートしたミニボリュート3ピース・マホガニーネック&パンケーキボディの1970年製レスポール・デラックス。

エリック・クラプトンを筆頭とするブリティッシュ・ブルースロックの台頭により1950年代レスポールが再び評価されたことにより1968年に復刻・再生産されたP-90ピックアップ&Tune-O-Maticのレスポール・スタンダード・ゴールドトップとメイプルトップにハムバッキングピックアップ仕様のレスポール・カスタム。

その再生産レスポール・スタンダードに搭載されたP-90ではなく、1950年代後期のバーストサウンドを求める多くのギタリストからハムバッキングピックアップの要望があったことから同じピックアップキャビティを使用できるミニハムバッキングピックアップを搭載してモデルチェンジすることによって1969年中期以降に登場したのがレスポール・デラックスとなります。

1968年の再生産初年度から1969年以降ではスペックが大きく変更されていきますが、1968年モデルはセンター2ピースの深いトップアーチ形状を持つメイプルトップに1ピースマホガニーナック、1ピースマホガニーネックのディープジョイント、iドットありのヘッドストックGibsonロゴ等が主な特徴となります。

1969年途中から3ピース(以上)メイプルトップ、マホガニーの間に薄いメイプルを挟み込んだ
通称「パンケーキボディ」、ショートテノン・ネックジョイント(ノン・ディープジョイント)、3ピースマホガニーネックにネック折れ対策となるナット裏に厚みを持たせたボリュート付きネック、iドットなしヘッドストックGibsonロゴと1969年の間にスペック変更が徐々に行われます。

こちらの個体は1969年以降のスペックにMADE IN USA刻印なしのシリアルナンバー、13770XXのポットデイト、ミニボリュートの3ピースマホガニーネック、その後の1970年代モデルよりも深いトップアーチから1969年後期から1970年初期のスペックとなります。

ピックアップにはフロントはゴールドのポールピースが使用されている刻印ナンバード、リアはデカールが剥がれてしまっていますが、デカールドT-TOPに交換され、各ピックアップキャビティはフロントは下側、リアは上側が広げられ、元のキャビティ形状側の角にはエスカッションの止めネジ用にメイプル材が増設されています。
ポットはオリジナルでデイトはハンダで隠れているため13770XXまでの確認となりますが4つとも同タイプの1970年製でコンデンサーもオリジナルのブラックビューティーです。

ピックアップ、アッセンブリー以外のパーツに関してはトグルスイッチノブ&プレート、エスカッション、ピックガード、ジャックプレート、ゴールドハットノブ、テイルピースはMontreux Time Machine Collectionのレリックパーツが使用され、トラスロッドカバーはある程度年数の経ったものへと、ピックアップカバー、スタッドはメーカー不明ですが、雰囲気の良いエイジドパーツが使用されています。

ペグは一度シャーラータイプへ交換された後に現状のPAT No.の入ったダブルラインのクルーソンに戻してありますが、ツマミは一コブタイプのリプレイスメントパーツへ交換され、ヘッドトップの2,4弦のペグポスト脇はチップしたヘッドべニアの補修が見られます。
また、ブリッジサドルはナイロンからブラスタイプへと交換され、オリジナル度は低いですが1950sスタイルへとパーツを交換したプレイヤーズコンバージョンモデルと言えます。

特筆すべき点としてネックが太く、1950年代モデルほどの厚みはありませんが、SGやFirebird等1960年代中期頃の太めのネックシェイプで見られるような幅広かつ12フレット辺りではかなりの厚みがある形状を持っており、4.52kgの重量と相まって生鳴りでも力強く、芯のある太いサウンドを持っています。
弦のテンションも強めの個体ですので、テイルピースを高めにセッティングしたり、弦を上通しにするラップアラウンドスタイルでの使用もおすすめです。

ピックアップは刻印ナンバード&T-TOPの組み合わせですが、T-TOPは低音が弱く、低出力且つトレブリーな傾向になりやすいですが、この個体ではフロントより出力は少し落ちますが巻弦も太くアウトプットし、ギブソン・ハムバッカーらしいクリアさもありながら力強くジューシーなサウンドで、音がこもり過ぎない抜けの良いフロントとのバランスもとれた抜群のヴィンテージトーンを堪能できます。

フレットは残り5割程度ですが、ネックの状態は良くトラスロッドも余裕があるため、現状でも弾き易く、エルボー部分の緑青を含め歴戦の証と言える無数の傷からしっかりと弾き込まれてきたことが分かります。

1970年製レスポール・デラックスのためラージヘッドとなりますが、1950sスタイルのリプレイスメントパーツを使用したコンバージョンですので、しっかりと弾かれてきた個体の経年変化によるゴールドトップと相まって全体の雰囲気がとても良く、コンバートしたハムバッカーとの相性も良いルックス、サウンドともにおすすめのプレイヤーズヴィンテージです。


シリアルナンバー:909851
重量:4.52kg
ピックアップ:刻印ナンバード&T-Top(デカール剥がれ)
ピックアップ直流抵抗値:フロント:7.73kΩ  リア:7.59kΩ
ネック幅:ナット:43.83mm  5フレット:48.83mm  12フレット:52.58mm
ネック厚:1フレット:22.17mm  5フレット:22.76mm  12フレット:26.84mm
付属品:ギブソン・カスタムショップ製ブラウンケース、ケースキー
セットアップ時使用弦:D'Addario EXL-110 (0.010-0.046)
中古保証:1年